計画が失敗する9つの理由 †
計画の立案段階での理由 †
- 計画の目的・目標がはっきりしていない => 目的意識を持て!
- 頭の中だけで組み立てた計画になっている => 現実・現場を見ろ!
- 状況判断を誤って計画している =>「あるがままに見る」を実践する
- 目先の問題解決を積み重ねただけの計画になっている
- 複数の計画案の中から選び抜かれていない => 計画案は複数用意する
計画の実行段階での理由 †
- 計画通り実行する熱意に欠けている
- 計画実行の勘所をはずしている
- "終わり"からの逆算が出来ていない
- 計画の適切なフォローアップが出来ていない => 異常に早い段階で気づいて早急に手を打て!
直すべき習慣 †
- 「とりあえず」は禁止!
- 1つの計画を作成すると、あるいは1つの手段や方法を見つけると、その他の可能性を探らなくなってしまいがち。計画は複数作る。
目的・目標をどう扱うか †
計画のステップ †
1. 目的・目標の明確化
2. 構想計画
3. 基本計画
4. 実施計画
5. 実施
目的・目標を扱う3つのポイント †
1. 計画の目的・目標を明確にする
2. 目的・目標と手段を取り違えない
3. 目標に期限を設定する
- 組織の目標というのは単純明快で、同時に部分的効果ではなく最大の影響を与える少数の点に着目した戦略的なものでなくてはならない
- 目標に期限をつけることで計画は具体的になり、実現の可能性が高くなる
目的・目標を実現する計画をどう作るか †
計画立案のための5つのポイント †
1. 想像力を働かせて構想する
2. 正しい計画のステップを踏んで立案する
3. 複数の計画案を練る
4. 計画案を正しく評価する
5. 不確実さのリスクをできるだけ回避する
想像力を働かせて構想する †
- 計画はまず全体の構想を練ることから始まる
- 構想とは「知っていること」を手がかりにして「まだ見えていないもの」の全体像をイメージすること
- 構想を実現する基本的な条件を満足できるものでなくては空想に終わってしまう
- 「このようにしたい」という構想に対して、基本計画や基本設計は「こうすればできる」という計画になっていなくてはならない
正しい計画のステップを踏んで立案する †
- 計画の立案段階では「知っておくべき情報」と「関心事情報」の2つが重要になる
- 知っておくべき情報 ... 誰でも知っておく必要のある情報
- 関心事情報 ... 知っておくべき情報の入手過程で気になったり、もっと詳しく知りたくなったりした情報
- 計画が実行段階に入ると現場に密着した情報が重要な意味を持ってくる。現場感覚を欠いた計画は文字通り机上のプランになって失敗する
正しい状況判断のための3つの気配り †
1. 「知ってるつもり」を疑う
2. 自分の世界を広げる
- 狭い範囲の状況しか意識していない人は、その狭い範囲の状況がその人の外的状況になってしまうので、それだけ状況判断を間違える確率が高くなる
- 情報は異質なものほど価値がある
3. 直感を磨く
- 「何となく怪しい」とか「うまくいきそうだ」とかいう感覚は大事にすべき
- 直感力を磨くためにも、論理的思考を鍛える必要がある
複数の計画案を生む思考法 †
1. いろいろな要素を組み合わせる
2. モノの見方を逆転させる
3. モノの見方を反対にする
計画案評価の落とし穴 †
1. リスクを過小評価する
- どんな計画にもリスクが伴うので、その計画を採用した場合にどの程度のリスクがあるか見積もる必要がある
- 人間にはリスクを嫌って現状のままでいたいという習性がある
2. 過去の実績を過大評価する
3. "当面の問題" を過大評価する
- 当面の積み上げが "優れた全体" になることはめったにない
4. プラス面を過大評価する
- 自分の能力に対する自惚れや未来に対する夢想を際限なく広げた計画は危険
5. マイナス面を過度に恐れる
6. 不確実なことを嫌う
不確実さのリスクをできるだけ回避する †
- 3点見積もりをする
- リスクの分散を図る
- リスクの許容限界を意識する
- いち早く変化の兆候をとらえる
- リスクに備える
プロジェクト・マネージャーに求められること †
1. 計画の本質を捉えられること
- 状況対応型の思考が必要
- 経験や知識を背景にした専門的な勘
- 成功のキーファクターを見抜く豊かな感性
2. システム思考に基づいて物事が進められること
- 関連する分野の人たちを一堂に集めて、お互いがやろうとしていること、やらなくてはいけないことを共に理解し合える場を作る必要がある
- メンバーはその場を通して、自分がやろうとしていることと他の人がやろうとしていることの相互理解を、互いに確認し合わなければならない
- プロジェクトメンバーが計画全体を俯瞰できれば、計画達成の大きな力となる
3. 迅速な意思決定ができること
- 関係者が判断を求めて来たときに「決まらない、決められない」人は、プロジェクト・マネージャーとして最も大切な資質を欠いていることになる
4. 関係者を説得できること
- ここぞというときに人を奮い立たせる能力が必要
- プロジェクトの利害のある全ての人たちの理解を得る説得力も必要
計画実行のポイント †
1. 計画の勘所を押さえる
2. 計画の人間的側面に配慮する
- 緻密過ぎる計画は関係者の参加意識を低下させて、力量を発揮する余地を狭めてしまう
3. 段取りと手順を大事にする
- 良い段取りをするにはまず "やり方" に関心を持つことが肝要
- 手慣れた段取りや手順も、常に新たな工夫や試みを忘れてはいけない
4. 計画の実行をフォローアップする
(1) 現状を正しく捉える
(2) 将来を見通す
- 計画からのズレが微調整で済む範囲内のものかどうかを見極める
(3) 思い切った軌道修正をする
- 計画が始まってからの変更や修正は、はずみがついてしまうので、想像以上に思い切った行動を取らないとそのままずるずると行ってしまう
印象に残ったフレーズ †
- 計画の実行力 = 思いの強さ(情熱)x 時間
- 熱意は周囲をも変える
- 仕事の相互関係が入り組んだ大規模なプロジェクトでも、仕事の相互関係をはっきりさせると、本当に急ぐ必要のある仕事(勘所)は全体の10〜20%前後に過ぎない
- 愚かな者は始めを見るが、賢い者は終わりを見る
- 人間は意識のどこかに目的・目標があると、自然に目的志向的な行動を取る
- 優れた構想がなければ運は来ない。構想があっての強運だ。
- 人間は夢を失ったときに老化が始まる
- 目先の妥協は高くつく
- すぐ役立つことはすぐ役立たなくなる
- 手法の外形は取るに易く、その精神はこれを求むるに難し
オーストリア人 コリン・ロス著「日中戦争見聞記」より †
- 日本の経済危機の本来の理由は、日本人がもろもろの根本的決意、決定を、最後の瞬間まで回避していることである
- 日本人は当座の間に合わせに終始する民族である
- 日本人は(中略)常に全てをしかも同時に望んでいる