オブジェクト †
- BACnetでオブジェクトは、アナログ信号やスケジュール管理など、信号や機能そのものを表す
- デバイス内に存在する複数の同種オブジェクトは、インスタンス番号という重複しない番号により識別する
- インスタンス番号はオブジェクト種類ごとに 0 ~ 4,194,303 の数値範囲で重複しない値を任意に設定できる
- インスタンス番号 4,194,303 は、初期化されていないオブジェクトを表す
- インスタンス番号 0 を上記と同じ意味で使用するデバイスもあるので注意
- 個々のオブジェクトは、オブジェクトタイプとインスタンス番号により構成されるオブジェクト識別子で識別する
- オブジェクト識別子はオブジェクトIDとも呼ばれる
- Deviceオブジェクトは、BACnetデバイスが必ず持つように定義されている特殊なオブジェクトであり、BACnetデバイス自身を表す
- Deviceオブジェクトには、BACnet上でデバイスを識別するデバイスインスタンス番号を設定する
- デバイスインスタンス番号は、他のオブジェクトと同様に、デバイスのオブジェクトタイプとデバイスインスタンス番号から算出されるデバイス識別子により、BACnet上で識別される
- デバイスインスタンス番号をデバイスIDと呼称して使用することもある
カテゴリー †
入退室管理(Physical Access Control) †
- Access Point Object Type(アクセスポイント)
- Access Zone Object Type(アクセスゾーン)
- Access Door Object Type(アクセスドア)
- Access User Object Type(アクセスユーザー)
- Access Right Object Type(アクセス権)
- Access Credential Object Type(アクセス認証)
- Credential Data Input Object Type(認証入力データ)
オブジェクトタイプ †
AC (Accumulator) †
電力量など積算値を監視する場合に使用
AC (Access Credential) †
- プロパティ群は,アクセス要求時における認証と認可のため,使用されるクレデンシャル(認証)の外部から参照可能な特性を示す
- このクレデンシャルは,全てのタイプのアクセスユーザーにより所有される
- 1 個のACオブジェクトは単一の認証要素,1 群の認証要素であって,それらが同一のアクセス権をもつもの又は複数の認証要素であって多要素認証に用いられるものを示すことができる
- Credential_Statusプロパティは,このクレデンシャルの認証への有効性を示す
- Reason_For_Disableプロパティでは認証の無効の理由 10 種を定義している
- Authentication Factorsプロパティでは,DisableとAuthencation Factorの 2 種の認証要素を定義している。無効とされたある認証要素を用いたアクセス試行は,全て失敗とされねばならない。
AD (Access Door) †
- アクセス制御を実施する実際のドアを抽象化したもの
- アクセスドアは,アクセス制御を行うドアのハードウエア
- 電気錠,開閉接点,退出ボタン(Request-ToExit? device)などのハードウエアの集合から構成される
- イントリンシック報告をサポートするADオブジェクトは,状態変化(CHANGE_OF_STATE)イベントアルゴリズムが適用される
- 信頼性評価では,故障状態(FAULT_STATE)アルゴリズムが適用される
アクセスドアの主要なステータス †
- Present Value(Commandable)(現在値(命令可能))
- LOCK(施錠):ドアはロック状態である。
- UNLOCK(開錠):ドアはアンロック状態である。
- PULSE_UNLOCK(一時開錠):ドアは,最大Door_
- Pulse_Timeで指定される時間,アンロック状態である。
- EXTENDED_PULSE_UNLOCK(延長一時開錠):ドアは,最大Door_Extended_Pulse_Timeで指定される時間,アンロック状態である
- Door_Status(ドアステータス)
- CLOSED:ドアは閉まっている
- OPENED:ドアは開いているか,部分的に開いている
- UNKNOWN:ドアは開状態か,閉状態かが不明
- DOOR_FAULT:物理的なドアに関連したドア状態入力は,信頼性がない
- Lock_Status(ドアステータス)
- LOCKED:ドアはロックされている。
- UNLOCKED:ドアはアンロックされている。
- UNKNOWN:ドアはロックされているか,アンロックされているか不明。
- LOCK_FAULT:ドアロックに関連付けられているロック状態の入力は,信頼性がない。
- UNUSED:ドアに関連付けられているロック状態の入力がない
- Secured_Status(セキュアステータス)
- このプロパティは,ドアが安全な状態かどうかを示す
- このプロパティは,所定の条件を全て満たすときにのみ,SECUREDという値となる
- 一つでも満たさなければ,プロパティはUNSECUREDとなる
AI (Analog Input) †
室内温度や設定温度など、アナログ値の情報を監視する場合に使用
AO (Analog Output) †
設定温度の変更など、アナログ値を制御する場合に使用
AP (Access Point) †
- アクセス制御されたアクセスポイント(扉、ゲートなど)における認証と認可のプロセスの可視化された特性を表すプロパティを持つ
- 認証 ... アクセス制御されたアクセスポイントを通過しようとするアクセスユーザを識別し、証明するプロセス
- 認可 ... アクセスユーザが入りたいと思うゾーンに入ることを許諾されるか否かを決定するプロセス
- 認証と認可はアクセスユーザがアクセスを制御するポイントにおいて認証要素を提示したときに開始
- このオブジェクトが示す手順により、対応するCDIオブジェクトからの認証要素を使用し、認証と認可の機能を実行
- このポイントでのアクセスは一方向のみに限定される
- 両方向にアクセスする扉などは、2つの別個なAPオブジェクトにより取り扱われるものとする
- APオブジェクトはAAE(Access Alarm Events)及びATE(Access Transaction Events)のイベントを生成
- AAEはオペレータの注目と操作を要求するイベント
- ATEはイベント内容のLogを記録する要求であり、オペレータの直接的注意を要求しない
AR (Access Right) †
- プロパティ群は,物理的なアクセス制御のためのアクセス権に関連する外部から参照可能なネットワークビジブルな特性を提示する
- ARオブジェクトは個別のアクセスルール仕様の集合であり,これら仕様はアクセス制御されたゾーンへの入場と退出のため,又はその他の資源や機能へアクセスする権限を定義する
- 1 個又は複数のクレデンシャル(認証)でアクセスルール使用の集合を共有することができる
- ARオブジェクトは,役務を基本とするアクセス制御モデルをサポートする
AU (Access User) †
- プロパティ群は,実際のPACSのユーザーに関連する外部から参照可能な特性を表現する
- AUオブジェクトは,各個人又はユーザーのグループ又は資産を表す
- アクセスするユーザー間の関係は,階層組織の表現(例えば会社,部署,又は何らかのグループなど),又は資産の所有者を表すことをサポートしている
- AUオブジェクトには,直接的な認証と認可は含まれていない。これらへの情報提供の目的で使用される。
- AUオブジェクトは,名前,参照番号及びアクセスユーザーの提供する外部システムを参考としてもつことができる
- AUオブジェクトは,指定されたAccess Credential(アクセス認証)オブジェクトを保持することができる。この情報は管理上の目的のため利用可能である。
- Global_Identifier
- 同じユーザーが複数のデバイスにて使用される場合,通常、AUオブジェクトは各デバイス内で同じObject_Identifierをもつことはない
- Global_Identifierプロパティを用いることで、グローバルに特定することが可能である
- この値が指定された場合、値はネットワークをまたいでユニークであり、そのアクセスユーザを示す全てのデバイス内の全てのAUオブジェクトは同じ値を持つ
- 値0はGlobal_Identifierが指定されていないことを示す
- User_Type
- ASSET:AUオブジェクトは1物理的なものを表す
- GROUP:AUオブジェクトはAUの1グループを表す
- PERSON:AUオブジェクトは個別の1個人を表す
AV (Analog Value) †
AZ (Access Zone) †
- プロパティ群は外部から参照可能な特徴を表し、これらはあるセキュアな地理的ゾーンと関連がある
- これに関してクレデンシャルの認証と認可が実行され、物理的なアクセスが発生する
このゾーンへの入場が実行されるのは、アクセス制御されたポイントを介してであり、またゾーンから退出するのはアクセス制御されたポイントを通してである
- AZオブジェクトは選択により在室人数カウントと在室人数制限の仕様をサポートできる
- AZオブジェクトはパスバックの検出をサポートし、パスバックあり/なしの実施を選択できる
BI (Binary Input) †
発停(ON/OFF)や設備の異常状態(正常/異常)など2状態の情報を監視する場合に使用
BO (Binary Output) †
発停(ON/OFF)の変更など、2状態の動作を制御する場合に使用
BV (Binary Value) †
CA (Calendar) †
休日や祝日などの日付を蓄えるために使用
CDI (Credential Data Input) †
- プロパティ群は,物理デバイスによって読み込んだ認証要素を提供するプロセスの特性を外部からネットワークビジブルに参照可能とする
- このオブジェクトによって表される物理デバイスの例は,カードリーダ,キーパッド,バイオメトリックリーダ等がある
- CDIオブジェクトは,故障状態の報告を容易にするためにイントリンシック報告サポートが可能である
DV (Device) †
どのBACnet装置にも必ず1つだけ存在し、その装置全体の状態や特徴を示す
MI (Multi-State Input) †
動作モード(冷房/暖房/送風/除湿)や風量(弱/中/強)など複数状態の動作を監視する場合に使用
MO (Multi-State Output) †
動作指令(冷房/暖房/送風/除湿)や風量指令(弱/中/強)の変更など複数状態の動作を制御する場合に使用
MV (Multi-State Value) †
NC (Notification Class) †
EventState?プロパティが変化した時に送信するEventの宛先を指定するために使用
SC (Schedule) †
休指定した時間に空調を自動的にON/OFFしたい場合などスケジューリングによる自動制御を行う場合に使用
TL (Trend Log) †
指定したオブジェクトの値を定期的にロギングするために使用