BACnet(Building Automation and Control Networking Protocol)
概要 †
- BACnetは、ASHRAE(American Society of Heating, Refrigerating, and Air conditioning Engineers:米国暖房冷凍空調工学会)が推進するANSI/ISO規格であり、BAのためのオープンな通信プロトコルとして広く利用されている
- 通信方式としては、使用するネットワーク層に対応してBACnet LAN(Ethernet、MS/TPなどを利用する通信)、またはInternet Protocol(IP)を使用したBACnet/IPがある
- BACnetの特長は、ネットワーク上の物理的なデバイス(I/O)、およびデバイスが有するデータを抽象化されたデータ集合「オブジェクト」として定義し、オブジェクトにアクセスするための目的を分類した「サービス(標準手続き)」を規定している点にある
- この特長により、機器メーカー独自のインタフェースが不要になり、異なるメーカーの機器間の相互運用が容易になる
オブジェクトタイプ †
AC (Accumulator) †
電力量など積算値を監視する場合に使用
AI (Analog Input) †
室内温度や設定温度など、アナログ値の情報を監視する場合に使用
AO (Analog Output) †
設定温度の変更など、アナログ値を制御する場合に使用
AV (Analog Value) †
BI (Binary Input) †
発停(ON/OFF)や設備の異常状態(正常/異常)など2状態の情報を監視する場合に使用
BO (Binary Output) †
発停(ON/OFF)の変更など、2状態の動作を制御する場合に使用
BV (Binary Value) †
CA (Calendar) †
休日や祝日などの日付を蓄えるために使用
DV (Device) †
どのBACnet装置にも必ず1つだけ存在し、その装置全体の状態や特徴を示す
MI (Multi-State Input) †
動作モード(冷房/暖房/送風/除湿)や風量(弱/中/強)など複数状態の動作を監視する場合に使用
MO (Multi-State Output) †
動作指令(冷房/暖房/送風/除湿)や風量指令(弱/中/強)の変更など複数状態の動作を制御する場合に使用
MV (Multi-State Value) †
NC (Notification Class) †
EventState?プロパティが変化した時に送信するEventの宛先を指定するために使用
SC (Schedule) †
休指定した時間に空調を自動的にON/OFFしたい場合などスケジューリングによる自動制御を行う場合に使用
TL (Trend Log) †
指定したオブジェクトの値を定期的にロギングするために使用
BIBBs (BACnet INTEROPERABILITY BUILDING BLOCKS) †
- 「BIBBs」(BACnet INTEROPERABILITY BUILDING BLOCKS)とは2つのデバイス間で実行される、1つ以上のサービスによる処理の集合
- BIBBsには、デバイスの生存確認処理において、他のデバイスに「Who-Is Service」を送信し送信先からの「I-Am Serverce」の受信を行う「Device Management-Dynamic Device Binding-A (DM-DDB-A)」、他のデバイスから「Who-Is Service 」を受信し送信元に「I-Am Serverce」を送信する「Device Management-Dynamic Device Binding-B (DM-DDB-B)」などがある
プロパティ †
プロトコルサービス †
Who-Is †
I-Am †
Who-Has †
I-Have †
Read-Property †
Write-Property †
BACnet/IP †
- BACnetシステムの各種機器に必要な機能の妥当性を検証する機関
- 機器群の認証を行っている
- 製品ベンダーは、認証された製品をBTL認証取得として公表でき、BACnetプロトコルの相互接続性が保証されていることを明らかにする手段として定着している
規格 †
BACnet-IP †
BACnet MS/TP †
BACnet/WS †
構成要素 †
BACnet装置型 †
B-AWS †
- BACnet Advanced Operator Workstation の略
- 高機能操作員端末
B-OWS †
- BACnet Operator Workstation の略
- 操作員端末
- 監視制御対象の下位システムはBACnetネットワーク
- 専用システムが対象で「BACnetに対応可」という場合は、内部設定情報はユーザに開放されない
- データサーバと制御用サーバとのインタフェースがユーザに開放されていなければならない
B-BC †
- BACnet Building Controller の略
- エリア制御
- ICONTとほぼ同義
- プログラム可能な制御機能に加えてスケジュール制御や傾向記録の機能を持つコントローラ
- ネットワーク配置上の考慮からBACnetルータ機能を内蔵する場合もある
- 上位または下位の構成機器がBACnet機器であり、ベンダに依存しないこと
- Webサーバ機能を内蔵し、市販PC、タブレット端末、スマートフォンから設定や制御プログラム変更が行えること
- 制御プログラムのツールは、国際規格または業界標準のIEC61131-3やMATLAB/Simulinkとする
B-AAC †
- BACnet Advanced Controller の略
- 高機能コントローラ
- プログラム可能な制御機能に加えてスケジュール制御や傾向記録の機能を持つコントローラ
B-ASC †
- BACnet Application Specific Controller
- 専用コントローラ
- プログラム可能な制御機能を持つコントローラ
B-SA †
B-SS †
BBMD †
- BAcnet/IP Broadcast Management Device の略
RIO †
DDC †
- Digital Direct Controllerの略
セキュリティ †
関連製品 †
BACnetゲートウェイ †
クラウド対応 †
関連ライブラリ †
.NET用 †
関連記事 †
開発ツール †
開発会社 †
ソフトウェア †
参考になる図 †
関連プロジェクト †