- ネットワーク上で利用者に近い場所に多数のサーバーを配置し、負荷の分散と通信の低遅延化を図ること
- サーバの集約化を図るクラウドコンピューティングに比べ、通信遅延を100分の1程度にすることができ、リアルタイム処理を必要とするM2MやIoT端末への対応が可能となる
- エッジがシステムのどの範囲を指しているのかは、製品やサービスを提供する事業者によって異なる
- 背景
- クラウドコンピューティングの普及に伴うネットワークトラフィックの増大
- IoTが普及すればするほど、大量のデータが発生するセンサーなどに近いエッジでデータを処理する必要に迫られる
- エッジコンピューティングのメリット
- 経路的にはるかに近くなることから、遅延を少なくできる
- 混雑しているトラフィックの解消
- エッジコンピューティングの適用先としては、たとえば、いわゆるコネクティッドカー、つまり自動車向けのサービスが考えられている。自動車が必要とする情報には、瞬時の判断が求められるシビアな状況が存在する。たとえば自動車が走っている目前で交通事故などが起きている場合、緊急停止や回避の判断は、一瞬の遅れも許されない。そこで、エッジコンピューティングによって、超低遅延で状況判断と停止・回避といった行動を実現する。
- エッジコンピューティングは、少なくとも携帯電話に関してはまだ実用化前の段階
- 2020年代に実用化される5Gネットワークでは、それを支える重要な技術の一つになると考えられており、検討・開発などが進んでいる
キーワード †
エッジコンピューティング †
原理・原則・基礎技術 †
エッジコンピューティングは、中央でのサーバ処理に対し、ネットワークの末端のユーザに近いところでコンピューティングを行うことである。
スマートフォンの世界的な普及やIoTの進展によって、データ通信量は爆発的に増え続けている。
これらのビッグデータは大規模なデータセンターによるクラウドコンピューティングによって処理されているが、
通信速度は物理的距離によるため、距離が遠くなるほど通信遅延が増大し、
通信データの大容量化によって求められるネットワーク通信能力の終わりなき拡張がある。
これに対し、小さなエッジサーバをユーザ近くに分散配置することにより、通信遅延を短縮し、
データ処理の速度と能力を圧倒的に高めることができる。
また、端末側の処理をエッジサーバに分散させることで、高速なアプリケーション処理が可能となる。
さらにリアルタイムなサービスやサーバとの通信頻度・量が多いビッグデータ処理などに
これまで以上の効果が期待できる。
課題とその解決手段 †
- 分散処理設計
- クラウドと組み合わせた分散処理設計時にはクラウド、エッジ、端末におけるシステム全体としての機能・負荷分散による全体最適化を考慮する必要がある。それぞれのデータ処理量、データ処理機能を分散し、これらを連携させることで、システム全体を高性能化し、コストや負荷を低減させることができる。
成果・将来動向 †